生後2週間から白黒絵本で読み聞かせを始め、何千冊と読み聞かせしてきました。絵本の読み聞かせは、選書が命です。優れた絵本との出合いは、美意識を育て、本物を見分ける力を養います。将来の骨太な読書力につながる良い絵本を集めました。ゆっくりお楽しみくださいね♪
ありがたいこってす!
ありがたいこってす!ありがたいこってす!
(1994/11)
マーゴット・ツェマック
童話館出版
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【最初のページ】
むかし ある小さな村に まずしい不幸な男が、母親と、おかみさんと、
6にんのこどもたちと いっしょに ひとへやしかない 小さな家に
すんでいた。家のなかが あんまり せまいので、男と おかみさんは
いいあらそいばかりしていた。
こどもたちは こどもたちで がたがた うるさくて、けんかばかり。
冬になると、ひるまはさむいし、夜はながいし、くらしは ますます
みじめになった。
小さな家は、わめきごえと、けんかさわぎで われんばかりだ。
ある日 このまずしい 不幸な男は、とうとう がまんができなくなって、
なにかいいちえは ないものかと ラビのところに いった。
 
出版社より 対象年齢 およそ7~8才から

ユダヤの民話。ラビ(ユダヤの法律博士、先生)が授けた解決法とは……。お金を一銭もかけずに知恵で困難を乗り切るお話は心に残ります。地味な絵ですが、愉快です。でも、本当に狭い!すみからすみまでじっくり鑑賞する娘(当時小5)でした。

(↓)少し内容が違いますが、こちらも痛快!

やかましい!
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テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
このよでいちばん大きな男の子
このよでいちばん大きな男の子このよでいちばん大きな男の子
(2005/02)
キム セシル
少年写真新聞社
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【最初のぺージ】
むかし むかし ある村に
力づよい 赤んぼうのうぶごえが ひびきわたった。
「うんぎゃあ、うんぎゃあ」
そのなきごえの 大きなことといったら
村中の人びとが びっくりして 目をさましたくらいだった。
「でかしたぞ。げん気のいい 男の子だ。
よし、おまえの名まえは キルサンだ。
そう チャン キルサンだ!」
村人たちが つぎつぎやってきて
生まれたばかりの 赤んぼうが じょうぶにそだつように
いのってくれた。

全国学校図書館協議会選定図書
日本図書館協会選定図書

韓国の絵本です。絵本に出てきた「アボジ」「オモニ」という意味をよく知っていた娘(当時小3)。娘の通う小学校では、英語活動よりも(!)韓国の文化に触れる行事が多く、簡単な言葉を教えてもらっているのです。

巻末には大人向けの解説があります。韓国の文化について興味深く読みました。昔は、この大きな男の子のように、男の子も女の子も結婚するまでは髪を長く伸ばし、後ろで一本の三つ編みにしてたらすのが習慣だったそうです。人々の髪型や服装、顔の表情や立ちふるまいも新鮮で、文化理解に役立つ絵本だと思います。ハングル版の本文も巻末に小さく収録されています。

『愛』を感じる絵本でした。心があったかくなりました。
うさぎのさいばん
うさぎのさいばんうさぎのさいばん
(2005/02/10)
キム・セシル、ハン・テヒ
少年写真新聞社
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【最初のぺージ】
むかし 一人のたびのわかものが
山みちを あるいていました。

ひと山 ドンドン
ふた山 ドンドン
み山 こえたら
ほら おらのよめさん まってるぞ

いつのまにか わかものは
ふかい山の ほそみちを あるいていました。
しげった 木ぎが 空をおおい
まひるというのに あたりは うすぐらやみでした。

日本子どもの本研究会選定図書
全国学校図書館協議会選定図書
日本図書館協会選定図書
厚生労働省社会保障審議会 平成17年児童福祉文化財 推薦
平成23年度「小学校国語教科書」3年生<三省堂>に収録

韓国の絵本。若者が虎を助けてやったのに、虎は恩人である若者を食べようとします。虎が人を食うのは正しいのか、森の中の裁判が始まります。

長めのお話ですが、内容が良くておもしろく、読み応えがありました。ハングル版の本文も小さく巻末に収録されています。小学生以上におすすめです。
あまのじゃくなかえる
あまのじゃくなかえるあまのじゃくなかえる
(2005/02)
イ・サンペ、キム・ドンソン
少年写真新聞社
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【最初のぺージ】
むかし あまがえるの かあさんと むすこが すんでいました。
あまがえるのむすこは かあさんがえるのいうことを 一つもきかない あまのじゃくでした。
なにをいわれても わざとさからって さかさまのことばかりしました。

日本子どもの本研究会選定図書
全国学校図書館協議会選定図書
日本図書館協会選定図書

韓国の絵本。韓国では誰もが知っている有名なお話ということで興味を持ちました。母親に逆らってばかりの子どもあまがえる。もの悲しい余韻にひたりました。墨絵のような非常に美しい絵に心ひかれます。何度も見て味わいたいと思いました。

巻末には朝鮮半島の文化についての解説があります。韓国・朝鮮では、大人のいうことをすなおにきかない、あまのじゃくな子どものことを「このアマガエル(チョンケグリ)め!」と言ってしかるそうです。このお話を読むとなぜだかわかります。教訓があります。

ハングル版の本文も巻末に収録されています。娘(当時小3)は、「ハングル語は難しい!」と言って、文字を一行指でなぞって書いていました。文化理解に役立つ絵本だと思います。



この雑誌本で推薦されていました。
さるとわに
さるとわにさるとわに
(2004/07)
ポール・ガルドン
ほるぷ出版
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【最初のぺージ】
もりのなかを ながれる かわのほとりに、たかい マンゴーのきが
はえていました。このきには、さるが たくさん すみついていました。
さるたちは えだから えだへ とびはねまわり、マンゴーのみを
たべたり、たがいに おしゃべりをしていました。

全国学校図書館協議会選定図書
日本こどもの本研究会選定図書
出版社より 対象年齢 4・5歳以上

インドの寓話。なんとかしてサルを食べようとするワニと、それから逃れようとするサルとの知恵比べ。文章は長めで読みごたえがありました。絵もきれいで迫力があります。

検索キーワード: アジアの絵本
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
ラン パン パン
ラン パン パンラン パン パン
(1989/06)
マギー・ダフ、アリアンヌ ・ドウィ
評論社
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【最初のぺージ】
むかしむかしのインドのお話。クロドリのふうふが木のしげみに住
んでいた。てい主のクロドリは、とてもいい声のもち主。

表紙から「これは戦争のお話?かたそうな感じでヤだな。」とずっと思っていました。やはり絵本って、読み聞かせして味わってみないと本当の良さはわかりません。絵本は親が子に読んであげるものですもの。声に出して読んでみないとね。

「ランパンパン、ランパンパン、ランパンパンパンパン。」の行進の音がリズミカルで楽しい絵本。インドの昔話です。さすが、昔話。くり返しが多用されています。おもしろくて不思議なお話でした。親子で気に入りました。

検索キーワード: アジアの絵本 インドの昔話
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
ウェン王子とトラ
ウェン王子とトラ
(2007/06/16)
チェン ジャンホン
徳間書店
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【最初のぺージ】
昔、深い森の奥に、トラのおかあさんが住んでいました。
トラは、悲しそうな鳴き声をあげていました。
子どもたちが、人間の猟師に殺されてしまったからです。
トラは、子どもたちを助けてやることができませんでした。
その日から、トラは人間が憎くてたまらず、村の近くをうろつくようになりました。

2005年ドイツ児童図書賞受賞
出版社より 対象年齢 5歳以上

この絵本が好き! 2008年版 (2008)

この絵本が好き! 2008年版」に2007年刊行の海外翻訳絵本部門で第3位に選ばれていました。

評判どおり、非常に心を揺さぶられる大変素晴らしい作品でした!!子どもたち(当時小3と小1)もこの絵本が一番良かったと感銘を受けていたようでした。

巻末に、この物語が生まれた背景が書かれています。パリ在住の作者が、パリの美術館で、まさに表紙のようなトラが男の子を口にくわえている中国の古い青銅器をながめていて、思いついた作品だそうです。中国には、赤ちゃんの時にトラに育てられた男の子の伝説もあるそうです。作者の作品が日本で紹介されるのは、この作品が初めてだそうです。

水墨画の手法で描かれた力強く迫力満点の絵は、まるで映画をみているようでした。絵は動かないのですが、心の眼には迫力いっぱいにトラが走って、飛びかかってくる姿が迫っていました。トラはしゃべらないし現実に近いリアリティあふれる姿。それがさらに臨場感に拍車をかけているのだと思います。大判なのもいいです。

絵だけでなく、ストーリーにも大変感動しました。間違いなくハラハラドキドキします。表紙からそうですものね。子どもたちは表紙を見て、「危ない!」と叫んでいましたから。意表をつかれた最後のページは、何度もながめてしまいます。本当に、涙なくして読めません。

母が子をおもう姿。母の愛情。獣であっても、人間であっても。やっぱり「心」や「情」は必ず相手に通じるものなのですね。

一生、読書好きになる本の選び方』でも良書として紹介されていました。

最新版・一生、読書好きになる本の選び方 (学研ムック)

スーホの白い馬―モンゴル民話こちらもおすすめ

スーホの白い馬

同じくアジアの絵本。小2の教科書にも載っている大スケール感動作です。


検索キーワード: アジアの絵本 中国 トラ とら
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
桃源郷ものがたり
桃源郷ものがたり桃源郷ものがたり
(2002/02)
松居 直、蔡 皋
福音館書店
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【最初のぺージ】
むかし むかし。
中国に、晋というくにが あったころの おはなしです。
そのころは くにじゅうが とても みだれていて、
せんそうが あったり、こめや むぎが とれなかったりして、
ひとびとは まいにち くるしい くらしをしていました。
晋のくにの 武陵というところに、ひとりの まずしい
りょうしが すんでいました。まいにち かわで さかなをとる
しごとをして、ほそぼそと くらしをたてていました。
あるひ―

出版社より 対象年齢 5・6歳から

中国の「桃花源記」にもとづいて、幼児にもわかりやすく伝わる物語として再話されたお話。「桃源郷」という言葉を聞くだけでうっとり。大判でダイナミックに描かれた美しい絵と美しい日本語に心を打たれます。

子どもたちと一緒にこの絵本を開いて読み聞かせている間だけは、日常のわずらわしさを忘れ、ゆったりと夢心地の気分になる様でした。ミステリアスな結末は、読者の空想をふくらませます。何度も何度もくり返し読みたい絵本です。忘れられない一冊になりました。

検索キーワード: アジアの絵本 中国の絵本 世界傑作絵本シリーズ 絵が美しい
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
おどりトラ
おどりトラ おどりトラ
金森 襄作 (1997/11)
福音館書店
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【最初のぺージ】
やまを こえ、ななつの やまを こえた、そのまた
やまおくに、たくさんの トラたちが すんでいました。
そのなかに、とても おどりの すきな トラが いっぴき
いました。ひまさえ あれば おどりばかり おどっているので、
みんなは そのトラを、「おどりトラ」と
よぶようになりました。

韓国・朝鮮の昔話として評価されている作品。味のある画風です。途中で、横開きから縦開きになり、トラが高く木に登っていく感じがとてもうまく表現されています。

私は「えっ?それで?」ともらしてしまうほど、ふぬけな印象だったのですが(ゴメンナサイ)、息子(当時小2)がいたくこの絵本を気に入りまして...この絵本ばかりせがみました。トラが踊るところや、人間を食べようとする緊迫の場面がおもしろいと言っていました。

検索キーワード: アジアの絵本 韓国の絵本 昔話 とら トラ 
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
王さまと九人のきょうだい
王さまと九人のきょうだい―中国の民話 王さまと九人のきょうだい
君島 久子、赤羽 末吉 (1969/11)
岩波書店
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【最初のぺージ】
それは、いつのころか、てん
で、けんとうもつかないほどの
おおむかし。
イ族のある村に、としよりの
ふうふが、すんでいました。
ふたりはいつも、
「子どもがほしい、子どもが
ほしい。」
と、おもっていましたが、すっ
かりこしがまがっても、まだ、
子どもは、うまれません。
ある日のこと、おばあさんは、
あんまりさびしいので、うらの
池のほとりで、じっとかんがえ
こんでいました。ひとりでに、
なみだが、こぼれて、ぽとーん
と、池の中におちました。

痛快!痛快!おもしろい話です。中国の民話だそうです。「シナの五にんきょうだい」に話がとても似ていますが、個人的には、こちらの方が好きかな。

とにかく九人に名づけられた名前がおもしろい!名前から特技を想像するのも楽しいし、赤ちゃん時の絵を見て、これが「はらいっぱい」で、これが「さむがりや」で、これが「ぶってくれ」で...(ありえない名前ばかり!!)などと、よく絵を観察していました。

おそろしいことに(笑)くりかえしが九回ある長めのお話ですが、展開が歯切れ良く、読み手もそれほど負担には感じませんでした。「読んでもらうには、4~7さい」とあります。

シナの五にんきょうだいこちらもおすすめ

シナの五にんきょうだい

似たお話です


検索キーワード: アジアの絵本 中国の民話 世界名作絵本 世界傑作絵本 兄弟 痛快 お話絵本 おはなし絵本
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
こいぬのうんち
こいぬのうんち こいぬのうんち
クォン ジョンセン、
チョン スンガク
(2000/09)
平凡社
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【最初のぺージ】
トリの いえの しろが、うんちを しました。
いしがきの すみっこに。
しろは ちいさな こいぬだから、
こいぬの うんちです。
 
韓国の第1回キリスト教児童文学賞受賞。韓国の絵本です。本当に心にひびく感動作品だと思いました。お話もいいですが、絵もとてもいいです。

私も、一番感動したのは、うんちくんがたんぽぽの芽をギュッと抱きしめるところ。凛と咲いたたんぽぽの花は、神々しいほど清らかです。最後に表表紙と裏表紙を対比して見るたび、感動の余韻で胸があつくなります。

きりかぶこちらもおすすめ

きりかぶ

この絵本も、誰にでも存在価値はあるんだよ、と教えてくれる良い絵本です。


検索キーワード: アジアの絵本 韓国の絵本 人の役に立つ 感動 涙 大人にもおすすめ
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
スーホの白い馬
スーホの白い馬―モンゴル民話 スーホの白い馬
大塚 勇三、赤羽 末吉 (1967/10)
福音館書店
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【最初のぺージ】
 中国の北のほう、モンゴルには、ひろい草原がひろがり、
そこに住む人たちは、むかしから、ひつじや、牛や、
馬などをかっていました。
 このモンゴルに、馬頭琴という、がっきがあります。
がっきのいちばん上が、馬の頭のかたちをしているので、
ばとうきんというのです。けれど、どうしてこういう、
がっきができたのでしょう?
それには、こんな話があるのです。

全国学校図書館協議会選定「よい絵本」

モンゴル民話。小学2年生の教科書に載っている絵本です。きっと誰もが知っている有名な絵本ですが、なんとなく今まで読み聞かせせず過ごしてきました。絵本のかたそうな雰囲気と、文章が長そうなので、二の足をふんでいたのです。

息子(当時小2)が学校で「悲しい絵本らしい」と聞いてきたらしく、「読んでほしい」というので手に取りました。そうしたら...!!なんと良い絵本なのでしょう!!確かに悲しい絵本ですが、よくできた満足いくストーリーでした。

文章は多少長いですが、思ったほどではありませんでした。息子はもちろんのこと、当時年長の娘もじっと耳をすまして聞いていました。良いストーリーなので、何度も読んでやりたいと思いました。

横長の絵本は、広大なモンゴルの大地の感じが伝わってきます。本物のモンゴル、本物の馬頭琴をぜひこの目で見てみたい気がしました。

一生、読書好きになる本の選び方』で良書として紹介されていました。

最新版・一生、読書好きになる本の選び方 (学研ムック)
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌