生後2週間から白黒絵本で読み聞かせを始め、何千冊と読み聞かせしてきました。絵本の読み聞かせは、選書が命です。優れた絵本との出合いは、美意識を育て、本物を見分ける力を養います。将来の骨太な読書力につながる良い絵本を集めました。ゆっくりお楽しみくださいね♪
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時生
時生 (講談社文庫)時生 (講談社文庫)時生 (講談社文庫)
( 2005/8/12)
東野 圭吾
講談社
商品詳細を見る時生 (講談社文庫)

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【最初のページ】
序章
透明な囲いの中の青年は、表情だけを見れば、ただ少し疲れて眠っているだけのようだった。しかし彼の身体にまとわりつく何本ものチューブが、逃れようのない厳しい現実を示していた。彼は寝息をたてているのかもしれなかったが、周りに配置された数々の生命維持装置の音によってかき消されていた。
宮本拓実は今さら発すべき言葉もなく、ベッドの脇で立ち尽くしていた。言葉がないのと同様に、打つべき手もなかった。彼に出来るのは、ただこうして見守ることだけだ。
右手に何かが触れた。それが麗子の指先だと気づくのに何秒間かを要した。妻の指は彼の右手を掴んだ。彼はベッドの上を見詰めたまま握り返した。彼女の手は細く、柔らかく、そしてつめたかった。

未来の息子が時空を超えて、まだ結婚する前のどうしようもない父親に起こす奇跡。竹美とジェシーのドタバタ劇は想像もしていませんでしたが、ページをめくる手は止まりませんでした。主人公が自分を捨てた母親に初めて心を開く場面とラストの一言に感動しました。

すっかり東野圭吾ファンの長男は中学生で読みました。本人のベスト5に入る作品だそうです。性的表現が1、2行ありましたが、「どうしようもない男」ってどんな男なのか、世間勉強のために当時中2の娘にも読ませました。ぶ厚い本でしたが、「おもしろい」「深い」と言い、一気読みでした。
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ツナグ
ツナグツナグ (新潮文庫)ツナグ
(2012/8/27 )
辻村 深月
新潮社
商品詳細を見るツナグ

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【最初のページ】
アイドルの心得

風がふいて、コートの襟に手をやる。
空を見ていた目線をずらして横を見ると、さっきまで誰もいなかった街路樹の前に少年が立っていた。
「平瀬愛美さん?」
急に声をかけられて、用意していたはずの返事が喉にからんでしまう。「はい」と言うはずが「はっ」と短い息になる。私の反応に、少年が一歩身を引いた。
都営新宿線のその駅に、私は今日初めて降りた。指定されたとおりの三番出口。隣にファストフード店があったが、オフィス街の日曜日は開けていても儲けが少ないのか、明りが消えている。周りにあるめぼしいものはそれだけ。私はずっと目の前の大通りを過ぎる車を見ていた。
いつ、彼は来たのだろう。
「そうです。平瀬です。あの」
戸惑った。
待ち合わせの時間と場所に間違いはない。さっきからずっと、三十分も前から待ってはいた。だけど、道行く人の中に私が探し、想定していた相手は、もっとずっと年上だ
改めて、彼を見る。背後に他にも人を連れているかと思ったが、一人きりのようだった。

第32回吉川英治文学新人賞受賞作品

一生に一度だけ死者との再会をかなえてくれるという「使者(ツナグ)」をめぐる感動作。娘は当時中2で読みました。私と同じく、「親友の心得」の章が一番心に残ったと言っていました。鬼気迫る内容で、現実なのか作り話なのか頭のなかで錯覚をおこしそうでした。

息子もずいぶん前に読んだと言っていましたが、感想は「普通」だったようで、やはり女子向きの小説でしょうか。

最後の章で全てがリンクするところがおもしろい。自分だったら誰に会いたいか...あり得ない話なのに真剣に考えたりして。評判通りの傑作でした。
贖罪
贖罪贖罪
(双葉文庫)

(2012/06/06)
湊 かなえ
双葉社
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【最初のページ】
麻子様
先日は結婚式にご出席くださりありがとうございました。
あの田舎町から押しかけてきた親戚縁者たちを見て、当時のことを思い出し、不愉快な思いをされているのではないかと、式のあいだじゅうきになっておりました。あの人たちは自分たちの無遠慮な言動にまったく気付いていないのですから。
空気がきれい。それだけが取り柄のあの町が、本当に何もないところだったということに気付いたのは、高校を卒業し、東京の女子大に進学した七年前です。
四年間、わたしは大学の寮で生活しました。東京の大学に進学したい、と両親に申し出たとき、彼らは口を揃えて反対しました。
悪いヤツに騙されて、からだを売るような仕事をさせられることになったらどうするのだ。薬漬けにされたらどうするのだ。殺されたらどうするのだ。
いったいどんな情報からそのような発想に行き着くのか、と都会育ちの麻子さんなら、これを読んでお笑いになるかもしれません。

大人向けミステリー小説。小学4年生の美少女が性的暴行を受けて殺害されます。一緒に遊んでいた4人の少女たちのその後の運命とは。犯人は誰?

告白」の次に読んだ本です。娘(当時中1)も読みましたが、少々性的描写があったので迷うところではありました。でも、過去がクロスしてお話が進むところが本当におもしろい。早く犯人や結末が知りたくてページをめくる手が止まりませんでした。娘は、ダークだけれど引きずりこまれるストーリーに夢中で、早く次が読みたい!と言っています。
ぼくのメジャースプーン
ぼくのメジャースプーンぼくのメジャースプーン
(講談社文庫)

(2009/04/15)
辻村 深月

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【最初のページ】
薄く伸びた秋の日差しが、歩くぼくの影をうっすら地面に映し出す。
少し乾いた感じのする空気に背中を押されるようにして、ぼくは鉄でできたおもそうな門をくぐる。
すぐ横には、まるで交番みたいな小屋があって、制服を来た男の人が座っていた。通りすぎるぼくをチラと見る。門番みたいな、警察官みたいなその目をかいくぐるようにして、顔を伏せて歩く。この人につまみ出されたらどうしようと気が気じゃなかったけど、それはどうやらクリアできる問題だったらしい。この大学は同じ敷地の中に付属小学校がある。ぼくをそこの子どもだと勘違いしてくれたのか、呼び止められたりはしなかった。
ただ、そうなると、気になるのはぼくと同じ年くらいの付属小の子たちの目だった。難しいテストを受けて、厳しい倍率をくぐり抜け、ここに入学した国立小学校の子たち。

大人向け小説。主人公は小学4年生。学校で起きる事件について書かれていますので、中3(当時)の息子も抵抗なく読めました。最初は「無駄に長い...!」と文句を言っていた息子ですが、私同様、結末を早く知りたくて途中からページをめくる手が止まらなかったようです。

もしも自分が実際に事件の被害者になれば、憎い犯人や罪に対してどう対峙すればいいのか。復讐とは何か。とくと考えさせられました。書かれていない秋山先生の犯人に対する決め手のセリフや犯人のその後をあれやこれやと想像しながら、余韻にひたっています。うんと考えさせられる内容で、すごくよかったので、娘(当時中1)にも読ませたいと思っています。
ふたつの月の物語
ふたつの月の物語ふたつの月の物語
(2012/10/24)
富安 陽子
講談社
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【最初のページ】
1 美月
「どうして、あの子なんでしょうか?」
愛光園の応接室の古びたソファの隅に座って、指導員の松野さんは、きつい声で言った。松野さんは小柄な丸顔のおばさんだったが、愛光園の指導員の中ではかなりの古株で、この園で暮らす子どもたちのことをだれよりもよく知っていた。
愛光園は、併設されている乳児院までを含めると、新生児から高校生まで二百十三人の子どもたちが暮らす大きな養護施設だ。なんらかの事情で、父親や母親や家族と暮らすことのできなくなった子どもたちが、ホームと呼ばれるグループ単位で、ともに寝起きし、ここから学校に通い、ここで暮らしている。
松野さんは、中学生たちのホームを担当する指導員だった。五、六人単位で構成されるホームの子どもたちを、ふたりの指導員が担当するというのが愛光園のシステムだ。

中学生におすすめの本。中2の女の子たちの出生の秘密にまつわるミステリアスでちょっぴりダークでファンタジックなお話。

娘(当時中1)は表紙の絵が暗くて読む気がしないとずっと読まなかった本なのですが、読む本がなくなって渋々手に取ると...「すごくおもしろかった!!」と意気込んで私に薦めてくれました。ホント、最初からグイグイ引き込まれること!!寝食忘れて一気読み!!ものすごくおもしろかった。津田さんの人生の選択は身勝手な部分を差し引いても、本当に切なかったです。児童文学らしく、わかりやすい作品でした。
ふたり
ふたり (新潮文庫)ふたり
(新潮文庫)
(1991/11/28)
赤川 次郎
新潮社
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【最初のページ】
1 姉妹
そろそろ来るな、と思ったとたん、階下から、
「早くしなさいよ」
と、母の声が聞こえた。「二人とも!」
千津子は、もう制服のネクタイを結びながら、
「はーい」
と、大声で返事をした。
お母さんたら、ご機嫌が悪い。千津子は、毎朝、ラジオの時報のように、ちゃんと決った時間に聞こえて来るあの一声で、母親の気分を察することができた。
まあ、それも理由のないことではない。お父さんが出張で、もう一週間も帰らないからで、お母さんは、
「いなくて静かでいいわ」

中学生におすすめの小説。娘(当時中1)が「結構よかった」と言ったので私も読みました。

悲劇の事故で死んでしまった姉の声が頭の中で聞こえてくるようになった少女(中2)。家族の死で苦しみ続ける一家が次第にバラバラになっていきます。暗い要素がいくつかありましたが、一つ一つ乗り越えて強くなっていく少女に静かな感動を覚えました。
語りつぐ者
語りつぐ者語りつぐ者
(2013/04)
パトリシア・ライリー ギフ
さえら書房
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【最初のページ】
1 デッサンの少女
授業が終わった。ようやく、待ちに待った週末だ。エリザベスは、ひとりで家に向かっていた。
帰ったら、台所の長イスに寝そべって、図書館から借りた本を読もう。そして、昨夜パパといっしょに作ったブラウニーの残りでも食べよう。
それさえできれば、何もいらない。
つかれた足を引きずって裏口へまわりながら、横目で居間をのぞき、それから父親の仕事場をのぞいた。ガラスごしに、仕事をしている父親が見える。
のっぽで、ひょろひょろやせて、こめかみの辺りがもうちょっぴり白髪になっている父親。長い体を折り曲げるようにして、作業机の上で木片に彫刻刀をふるっている。
頭の上の棚には、父親の彫った木の動物たちとお面がひとつ、行儀よく一列に並んでいる。

2014年度(第60回)全国課題図書 中学校の部
出版社より 対象年齢 小学校高学年~

小学校高学年~中学生におすすめの本。200年前に描かれた肖像画の少女と現代の孤独な少女が年月を経て交差する物語。

娘(当時中1)が表紙の絵を見て「首が長くてキモチわるい」という理由だけで読みたがらなかったのですが、今年度の中学生向けの課題図書だと説き伏せ、何とか読ませました。おもしろかったのでしょう、あっという間に読み終わって「結構よかった、おすすめ!」と私にすすめてくれました。

アメリカ独立戦争に翻弄される少女の身の上に手に汗握ります。一気に戦争のまっただ中に引きずりこまれた感覚でした。最後は生き延びて幸せをつかんでよかったとホッと胸をなでおろしました。
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
告白
告白告白
(2010/04/08)
湊 かなえ
双葉社
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【最初のページ】
牛乳を飲み終わった人から、紙パックを自分の番号のケースに戻して席につくように。全員飲み終わったようですね。「終業式の日まで牛乳かよ」なんて声も聞こえましたけど、ミルクタイムも本日で終了です。お疲れさまでした。「来年はないのか?」ありません。本年度このS中学校は『厚生労働省・全国中高生乳製品促進運動』のモデル校に指定されていました。そのため、みんなに毎日、牛乳を二〇〇ミリリットルずつ飲んでもらっていたのです。四月の身体測定では、身長の伸び率も骨密度も、同年齢の全国平均を上回っているのではないのでしょうか?楽しみですね。「自分たちは実験台か?」確かに、お腹が少しゆるめだったり牛乳嫌いな子にとっては災難な年だったかもしれません。モデル校は教育委員会がランダムに選んだものですし、紙パックとケース両方にクラス名と出席番号まで記入してきちんと飲んでいるか確認されるのでは、実験台にされていると感じてもおかしくはないと思います。ただ、ついさっきまでおいしそうに飲んでいたのに、実験台と聞いた途端顔をしかめた人たち、ちょっと待ってください。

第6回(2009年) 本屋大賞受賞

大人向け小説。わが子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から始まるミステリー。

息子(当時中3)が「おもしろかった」と言うので私も読みました。娘も中1(当時)で読みました。娘はおもしろくてページをめくる手が止まらず、数時間で一気読みでした!

語り手が変わり、事件の全体像が浮き彫りにされていくにつれて引きこまれました。でも、こわい。社会の闇が垣間見れて戦慄が走る重い内容でした。衝撃のラスト。スゴイ、としか言えません。リンク先で中身が見れます
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
一瞬の風になれ
一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-
講談社文庫
(2009/07/15)
佐藤 多佳子
講談社
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【最初のページ】
次の日曜日はクラブの遠征試合で駒沢公園まで行くから、「トーキョーに行くぞ!」とメールを打ったら、「だるい距離だな」と連から返事がきた。だいたい、あいつは約束とか待ち合わせを異常に面倒臭がるから、来たけりゃぶらっとグラウンドに現れるだろうと思って、地図だけFAXしておいた。
よく晴れた日だった。神奈川も東京も風はキンモクセイの濃い匂いがしている。大会とかじゃない気楽な練習試合で、駒沢ミラクルボーイズはわりと弱っちいチームなんだけど、やっぱりグラウンドに着くといつものように下腹がゴロゴロと鳴った。試合前の緊張は悪いことじゃなさと健ちゃんは言う。けど、U16日本代表候補だった兄貴が緊張をほぐすためにクリスタル・ケイを聴くのと、相模原サルトFCの俺が試合場のトイレを三往復するのとはわけが違う。まあ、ゲームが始まれば腹は落ちつくけど、プレーのほうはそうはいかない。
試合は最低だった。FWのおれはとにかくフルに走りまわって、DFを引きつけたり裏に抜けたりチャンス・メイクに励んだんだけど、トラップもパスもへぼいもんで、相方の矢代が決められるようなボールは出せない。シュート・チャンスも三回あった。絶好の二回は天高くフカして、一回はキーパーの正面。ゲームは1-1のドロー。ウチの得点は矢代のPKだった。

中高生におすすめの青春スポーツ小説(シリーズ全3巻一瞬の風になれ )。高校陸上部が舞台です。スポーツものが好きな娘(当時小6)が読みました。「おもしろい」と言って夢中になって読んでいました。

私も読みましたが、半分を過ぎたころからだんだんおもしろくなってきました。人物描写が丁寧で生き生きしたキャラクターに引き込まれます。キラキラした光と爽やかな風を感じる青春もの。いいですねー!
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
手紙
手紙 (文春文庫)手紙 (文春文庫)
(2006/10)
東野 圭吾
文藝春秋
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【最初のページ】
序章
その家を狙ったことに深い根拠はなかった。強いていえば、多少なりとも家の様子を知っていたことぐらいだ。しかし剛志が犯行を決意した時、真っ先に頭に浮かんだのはそこに住む緒方という老婦人のことだった。見事な白髪を奇麗にセットし、品のいい身なりをしていた。
「御苦労様。若いのに、えらいわねえ」そういって小さな祝儀袋をくれた。後で見ると中には千円札が三枚入っていた。そんなにもらったのは、引っ越し屋の仕事を手伝うようになって初めてだった。
彼女の表情からは何の邪念も感じられなかった。皺の一本一本まで優しさが刻み込まれているような微笑だった。剛志がぺこりと頭を下げると、「こら、ちゃんとお礼をいわねえか」と先輩から叱られた。剛志が十九歳になったばかりの頃だから、四年前ということになる。
江東区木場には材木問屋が多い。江戸時代からそうで、木場という地名もそのことに由来しているらしい。緒方家に向かうトラックの中で、剛志は先輩から教えられた。緒方家もかつてはそうした問屋の一つで、緒方商店と言う屋号を持っていた。ただし本業のほうは殆ど形ばかりで、材木置き場に使われていた土地を別の目的に利用することで、緒方商店は収入を得ていたようだ。

大人向けの小説。強盗殺人犯の兄を持った少年の姿を通し、犯罪加害者の家族を真正面から描いた感動作。罪を償うとはどういうことか、深く考えさせられました。後の方で出てくる社長の重みのある言葉。これには頭をガーンと殴られたような衝撃を覚えました。私こそ、世間知らずで甘かったのか、と。

息子(当時中2)が一気に読んで「感動した!!」とまくし立てました。この本を読むと誰もが、絶対に犯罪を犯してはならないと思うでしょう。どれだけ家族だけでなく親戚に迷惑をかけるか、後世まで犯罪者としてのレッテルが引き継がれるか、息子も思い知ったと思います。つながりを密に持って、これ以上犯罪者を増やさないことが読者へのメッセージだと知り、納得しました。

しかし、ラストを読者にゆだねるというのは...う~ん、きっぱり書いてほしかったなあ~...
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
生きるぼくら
生きるぼくら生きるぼくら
(2012/09/13)
原田マハ
徳間書店
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【最初のページ】
1 母の失踪

痛いような空腹で、目が覚めた。それが、麻生人生のいつもの目覚め方だった。
ふつうの人間は、どんなふうに眠りから覚めるのだろうか。窓の外の小鳥のさえずりとか、カーテンの向こう側が明るくなってとか、自然に目覚める人もいるのだろう。目覚まし時計の鳴り響く音、母や妻や子供、家族の声が起こしてくれるものなのだろうか。おはよう、朝だよ、早く起きて。学校に、仕事に遅れるよ、もうご飯できてるよ、さあ、起きて一緒に食べようよ。
むくり、と湿っぽい布団から身を起こして、人生はぼんやりと目の前のしみだらけの壁を見る。積み上げられたDVDケース、空になったカップ麺の容器、スナック菓子の空き袋、丸めたティッシュ、脱ぎっぱなしの靴下、この世の中でもっとも無価値で役に立たないものの累積の中に、敷きっぱなしの布団。その上にあぐらをかいて、ぼさぼさの長髪をぼりぼりと掻く。理髪店にも行かず、自分で切るから、ヘアスタイルも何もない髪の毛だ。無精髭のあごが落っこちそうなくらい大口をあけて、ふあ~あ、とあくびをする。
「腹へった……」

大人向けの小説ですが、中学生や高校生にもぜひおすすめしたい感動作です。息子(当時中2)のすすめで私も読みました。完全にひきこまれ、2時間ちょっとで一気に読みました。たまたま読む本がなくて困っていた娘(当時小6)にも試しで読ませるとあっという間に読んで「感動した!!」と言っていました。

両親の離婚をへて、高校時代の凄惨ないじめから引きこもり、母に捨てられた24歳の主人公。その再生物語です。最後の年賀状の真実のくだりは涙、涙でした。生きる力、勇気がもらえると思います。本当に感動しました。

リンク先で中身が見れます
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
マリオネット・デイズ
マリオネット・デイズマリオネット・デイズ
(2006/12)
篠原 まり
ポプラ社
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【最初のページ】
始まりの写真

春休みは、いつもなんとなく宙ぶらりんだ。中学二年と三年の間の春休みのある日、川田秋音はたまには推理小説でも読んでみようかと思い立ち、父の書棚の古い文庫を物色した。その写真は、書棚から本を引き抜いたひょうしに秋音の足元に落ちた。ひろいあげてみると、二人の子どもがしっかりと手をつなぎ、迷惑そうな顔でカメラをにらんでいた。
(どこの子だろう)
と思いながら、秋音は写真を裏返した。
『鏡子さま
  秋音 五歳、悠司 六歳
   美里』

出版社より 対象年齢 中学生~

中学生に推薦されていた本。娘(当時小6)がおもしろかったらしく一気に読んで、私に薦めてくれました。大人の私が読んでもものすごくはまりました!途中でやめられなくて夢中になって読みました。

母親の『あやつり人形』だった女の子が自立するお話。謎めいたストーリーで、最初から最後まで惹き込まれました。真意をついた一つ一つの言葉が爽快。でも、どれも重くて、胸をえぐられる気がしました。ほんわかする恋の話もあって、若かりし頃の自分に戻ったように胸がドキドキしました☆ 最後は泣いてしまいました。
テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌
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