![]() | きつねのたなばたさま (2003/05) 正岡 慧子、松永 禎郎 世界文化社 商品詳細を見る ⇒楽天ブックスで検索 |
【最初のぺージ】
「あっ、おかあさんだ! おかあさーん」
こぎつねは、おおごえで よびました。
でも、どう した ことでしょう。
おかあさんあは、うしろを ふりむき ふりむき、
だまって そらを のぼって いきます。
「まって! いかないでー!」
こぎつねが いくら さけんでも、おかあさんの
すがたは ちいさく なるばかり。
あああ……。
おかあさんは とうとう、くもの なかに
きえました。
「ごんぎつね」「きつねのおきゃくさま」「チロヌップのきつね」「おこんじょうるり」「きつねの でんわボックス」...私が今まで読み聞かせた中でも、こんなに涙をさそう、キツネのお話があります。
タヌキじゃあ、こうはいかないでしょうに(!)やはりキツネと涙は昔から縁があるのですね。今回の「きつねのたなばたさま」もしかり。子ぎつねが母を思う心に胸を打たれました。字が書けない子ぎつねが、七夕の短冊に「おかあさんがかえってきますように」と願いを掛ける場面は切なくなります。
願いは叶わなかったけれど、最後は心温まるエンディング。絵もかわいらしいのに繊細で美しく、素敵な絵本だと思いました。文章量はそんなに多くありませんので、園児さんにも充分楽しめると思います。
作者は、後書きでこう添えています。「どうぞ、多くの子供たちがこのお話の子狐とおなじように、淋しさや挫折をのりこえて自立への道を歩んでくれますように……。」子どもたちは口に出さずとも、しっかりメッセージを受け取ってくれることでしょう。
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