生後2週間から白黒絵本で読み聞かせを始め、何千冊と読み聞かせしてきました。絵本の読み聞かせは、選書が命です。優れた絵本との出合いは、美意識を育て、本物を見分ける力を養います。将来の骨太な読書力につながる良い絵本を集めました。ゆっくりお楽しみくださいね♪
出口のない海
出口のない海 (講談社文庫)出口のない海
(講談社文庫)

(2006/07/12)
横山 秀夫
講談社
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【最初のページ】
真珠湾が見えた。
雲間をつき、日本海軍の爆撃機が一斉に急降下を始めた。たちまち眼下に米軍の戦艦群が迫る。凄まじい爆発音とともに、戦艦カリフォルニアが真っ黒い煙を吹き上げた。戦艦ネバダが、オクラホマが、そして、アリゾナが、次々と爆撃の餌食になっていく。甲板に幾本もの火柱が立ち、艦が傾ぎ、米兵が蟻のように逃げまどう。
スクリーンの映像をぼんやりと眺めながら、老人は席を立つタイミングを見計らっていた。
新聞広告に担がれた。アメリカの高名な監督が撮ったドキュメント映画だというから、わざわざ電車を乗り継いで観にやってきた。なのに中身は、太平洋戦争のさなか自国民向けに製作された戦意高揚映画だった。「パール・ハーバーは騙まし討ち」「ジャップの蛮行は執拗だった」。実写と特撮を繋ぎ合わせたモノクロの粗雑な映像は、日本軍の爆撃機が米軍の軍艦に襲いかかるシーンを延々映し出し、ナレーションは日本人を蔑む「ジャップ」を連発する。
老人は唇を噛んでいた。そういう時代だったのだと頭ではわかっていても、苦々しい思いが広がるばかりだ。

大人向け戦争青春小説。第2次世界大戦の終戦前に展開された人間魚雷「回天」特攻作戦の悲劇を描いた作品。

同作者の『クライマーズ・ハイ』を読み切った息子(当時中2)なら、この本もいけるだろうと思っていましたが、大当たり!あっという間に読み終わり、「感動した!」と私に薦めにきました。

ラストは意外にあっけない終わり方でしたが、戦争について、命について、考えさせられる物語でした。

クライマーズ・ハイ (文春文庫)
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テーマ:絵本
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