生後2週間から白黒絵本で読み聞かせを始め、何千冊と読み聞かせしてきました。絵本の読み聞かせは、選書が命です。優れた絵本との出合いは、美意識を育て、本物を見分ける力を養います。将来の骨太な読書力につながる良い絵本を集めました。ゆっくりお楽しみくださいね♪
ななしのごんべさん
ななしのごんべさんななしのごんべさん
(2003/06)
田島 征彦、吉村 敬子
童心社
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【最初のぺージ】
もも子のおとうちゃんが、せんそうに行ってしまうねん。
アメリカや中国やらとのせんそうが はげしくなって、
からだがよわあて、かぜばっかりひいたはる おとうちゃんまで
へいたいさんにならな あかんねんて。
おじいちゃんは こわい顔で、
「お国のために、りっぱに死んでこい」
て いうてはるけど、おかあちゃんのおなかの中には、
あかちゃんかて いてるのに。
おとうちゃんが しんでもええんか! 
いつもやさしい おじいちゃんが、
なんで そんなことをいうのんか、わからんわ。

出版社より 対象年齢 3歳~小学校1・2年生

この絵本の舞台は、 大阪府堺市です。
1945年7月9日から10日未明の大阪堺大空襲で、
なくなった人の数は1,394人、けがをした人のかずは1,574人、
その中には、家族が全部死んでしまって、だれも探してくれず、
身元もわからない <ななしのごんべさん> が、
たくさんいたそうです。

そう最後のページを読んでパタンと絵本を閉じます。大阪にも空爆があったのですね。

「え~~~、また戦争の絵本~~~」不満たらたらの息子たち。読み手の私が泣いてしまい、暗い気持ちになるから少し抵抗感があるのでしょうね。この絵本の最後のほうも...すごい絶望感。主人公たちの生死について、ああだこうだと言いながら読み聞かせが終わります。

それでも何とも読者の心をつかむ絵本です。自らも脳性小児麻痺の障害をもつ吉村敬子と大阪府堺市生まれの田島征彦さんの共作。戦争だけではなく、脳性マヒの主人公もも子にまつわるお話にも心打たれます。今の時代でこそ車椅子がありますが、昔は乳母車。「歩けない」のが理由で小学校から拒絶される主人公の怒りと悲しみ。

隣の双子の男の子たちとのエピソードも根底に人のあたたかさがあって、心に残りました。無慈悲な戦争に対して人間のぬくもりが際立った良い絵本でした。

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